気管支喘息
当院で最も得意とするのは呼吸器・アレルギー疾患です。気管支喘息は発作でゼーゼー苦しくなり、頻繁に救急外来を受診して、吸入や点滴治療を受けるイメージがありますが、発作を起こさせず、仕事や学業に影響のないように、喘息でない方と同様、不安なく生活できるよう、治療することができます。
しかし、吸入ステロイド剤(妊婦や胎児への安全性が確立された薬剤)の普及で、以前より減少はしたものの、国内で年間約2000人の方が気管支喘息で亡くなっており、あなどれない疾患です。
喘息は、咳や痰だけといった軽い症状でも、自分で思ったより重症な方がおり、自覚症状からだけでは、過小評価する恐れのある病気なので、下記の検査を行い、客観的な評価をすることが重要です。
・呼吸機能検査(スパイロ) | … | 肺活量、一秒量を測定します。喘息とCOPDの診断には欠かせない検査です。 |
・呼吸抵抗測定検査(モストグラフ) | … | 気道の抵抗を測定します。喘息やCOPDの診断に有用です。 |
・呼気一酸化窒素(FENO)測定検査 | … | 一酸化窒素の濃度を測定し、気道の炎症の度合いを測ります。気管支喘息、咳喘息の診断に有用です。 |
気管支喘息の治療
喘息は軽症でもまれに死亡に至るケースがあり、短時間で状況が著しく変化することのある病気です。患者さんはピークフローメーター(医院から貸し出しのできる自宅用簡易呼吸機能検査)で、日内変動を把握することが大切です。
喘息は、以前考えられていたような発作性の病気ではなく、気管支の粘膜に炎症(赤く腫れた状態)が長く残る慢性の病気ですから、喘息の診断がついたら、早めに吸入ステロイド剤を開始することが大切です。
咳喘息
呼吸困難やゼーゼーはないけれど、日中電話での会話中や夜フトンに入ってから咳が止まらず、風邪と診断され治療を受けたが治らない。このような場合、咳喘息が考えられます。呼気一酸化窒素(FENO)を測定することで、より診断が確実になります。
小児喘息
喘息はゼーゼーという息苦しい発作が起ったり、激しい咳や痰が増加してくる疾患です。
原因としては、小児の場合90%近くが、気管支のアレルギーによる慢性の炎症によるものと考えられております。
絶えず医師と相談し、発作を起こさないようにすること、抗アレルギー剤や吸入ステロイド剤で、気道の炎症を抑えることが重要です。
小学生高学年であれば、呼吸機能検査(スパイロ)や呼吸抵抗測定検査(モストグラフ)、呼気一酸化窒素(FENO)測定検査が可能な場合があります。